重要なお知らせ

札幌ドーム オンラインリサーチ

2015年度 モニター座談会レポート

株式会社札幌ドーム(以下当社)では、皆さまにとってより楽しく、安全・安心・快適にお過ごしいただける施設となるよう、皆さまからのお声に真摯に耳を傾け「お客さまとともに改善・進化する札幌ドーム」の実現に向けて取り組んでおります。
本アンケート「札幌ドーム オンラインリサーチ2015」では、モニターアンケート、モニター観戦、当社役員との座談会を開催しました。モニター観戦は、普段あまり観ていないイベントを一度ご覧いただく機会になれば、との趣旨で実施し、モニターアンケート回答の参考としていただきました。いただいたご意見はすべて社内で共有し、札幌ドームをより良い空間へ進化させるための参考とさせていただきます。
モニター座談会の結果につきまして、以下の通りご報告させていただきます。

実施概要

  • 実施日・モニター人数 2015年10月2日(金)/5人(男性3人・女性2人)
    2015年10月3日(土)/6人(男性3人・女性3人)
  • 当社の座談会参加者 専務取締役  北野 靖尋
    事業本部長   吉田 圭吾
    総務部長    佐々木 和規
    総務部総務課 オンラインリサーチ担当 若井 聡 菊地 圭児 北條 なお

座談会の流れとモニターさまのご意見・ご感想

館内見学
当社社員の案内で、これまでに改修した主な箇所(スタンド手すり・大型ビジョン・トイレなど)をご覧いただき、普段感じていることや感想をお聞きしました。

「市民の意見を聞いて迅速にやっているんだなと実感しました」(40代・男性)

「聞いたことの中に『来年には間に合う』とかいうことがあって、ちゃんと対応していると感じました」(50代・女性)

「大階段の手すりの付近の座り込みがサインによって減ってよかったです。いろんな意見を取り入れて改善されて嬉しいし、よりよくなってほしいと思います」(50代・女性)

昼食
レストラン「スポーツ・スタジアム・サッポロ」にて、ランチならびにファイターズ絶品グルメをお召し上がりいただきました。
座談会
弊社役員・オンラインリサーチ担当社員などを交え、「今後の札幌ドームに期待すること」などのテーマで意見交換を行いました。併せて、オンラインリサーチ企画に対してもご意見・ご感想を伺いました。

当社から:はじめに、当社の立ち位置、ならびに札幌市との関係について説明します。

札幌ドームは、2002FIFAワールドカップの開催を契機として札幌市が税金を投入して建設した公共施設です。建設費が422億円、土地代の115億円と合わせて537億円かかりました。これに建設のための借入金の利子を含めると660億円となる一大プロジェクト事業でした。国の交付金や、北海道の補助金などを除く札幌市負担は302億円。借入金395億円は30年償還で、最終償還年度は16年後の2031年度、2014年度末の残高は167億円と聞いています。

札幌市が建設した図書館や体育館・プールなどの公共施設の管理運営方法は現在二通りあり、
①図書館のように札幌市が直営で行う
②札幌市が指定した団体に行わせる
で、②は指定管理者制度といわれています。

当社は、札幌ドームの管理運営を行わせるために札幌市が1998年に資本金10億円で設立した株式会社です。ただし札幌市による全額出資ではなく、当社設立に賛同いただいた地元関係企業など27法人が当社の株主です。札幌市は総株式の55%を持ち、株主総会を通じた会社経営に関する最終決定権を持っています。札幌ドームの運営には、人脈を活かしたイベント誘致や、イベント開催に合わせた不規則な勤務時間など、他の公共施設と異なる業務の特殊性があり、これにしっかりと対応するためには民間の経営ノウハウが必要なことから、人事異動があり勤務時間も決まっている札幌市職員による直営は当初から想定されていませんでした。一方で、税金を投入した公共施設としての公平性や公益性の確保も必要なため、官民の共同出資による第3セクター方式の経営がふさわしい、ということで現在の形になりました。

そこで、札幌市と当社の関係を敢えて何かの例に例えるなら、繰り返して短期間の利用ができる賃貸マンション、いわゆるウィークリーマンションを所有するオーナーと管理会社の関係に近いと思います。札幌ドームの建設費を負担したオーナーの札幌市から総合的な管理運営を任せられた会社が当社だということになります。

一般的なウィークリーマンションは、施設の大規模改修や更新、新たにエレベーターを付けるなどの設備投資はオーナーの負担で行い、管理会社は日常的な維持修繕を担当することになります。当社も基本的には同じような立場にあります。お金の流れでいうと、利用者からの利用料を直接受け取る管理会社は、その利用料から建物の維持管理費や光熱水費、そして自社経費を賄って、更にオーナーの利益も出さなければならないということになりますが、札幌ドームの場合、実は主催者さまからの利用料収入だけでは管理運営経費を賄いきれないため、事業としてお客さま向けに飲食サービスなどを独自に行い、足りない分を穴埋めしています。

具体的な数字で言うと、昨年度は施設の管理運営に約20億円かかり、各種イベントへの貸館に伴う収入が約17億円だったので、管理運営事業としては約3億円の赤字でした。札幌市の他の公共施設だとそもそも利益を出すような料金設定になっていないので、管理運営費の赤字分は「指定管理費」として税金で補てんされますが、札幌ドームでは、管理運営事業とは別の当社の自主事業、具体的には飲食・物販・広告事業などから生まれる利益でこの赤字分を補填しています。

そして、この自主事業による利益を、本来オーナー負担で行われるべき施設改修を代わりに行うなど、これまで様々な形で札幌市に還元してきたほか、会社の内部留保資金として将来の設備更新への備えとしています。

当社は昨年度、大型映像設備を約9億円(税込)かけて更新したため、開業以来初めて4億円を超える赤字決算となりました。資金はこれまで蓄えてきた内部留保資金を活用し、大型ビジョンを1面から2面に増やしたことなど、札幌市が行う場合以上のものを整備出来たと考えています。そして、完成後の大型映像設備は札幌市に寄付させていただきました。

今後とも、札幌ドームに来場されるお客様のご理解をいただきながら、内部留保資金の充実に努め、お客様により満足いただける札幌ドームの実現に力を尽くしていきたいと考えています。

10月2日 1日目

館内の階段・手すりについて

「高齢者で行けなくなった方の話も聞きますが、高齢者や車いすにやさしい施設としての工夫があればと思います。階段が多いしエレベーターが遠い、駐車場も杖などを使う人にハードルが高い作りになっていると思います」(40代・女性)

「急な階段の解消をしてほしいです。あと10年、80歳になっても来られるか不安があります。難しい課題かと思うが高齢化社会に向けて、札幌ドームは特に高齢者も多いので常に心がけてほしいと思っています」(60代・男性)

「手すりを増設するなら、上り下りで左右を使い分けるとかいうことも考えていいのではないか。席が減るかもしれないが、一席分通路が広がってもいいと思います。さらにエスカレーターが何列かにひとつあったらと思います」(60代・男性)

「手すり両側設置は障がいのある方に向けてもいいと思うが、観戦の妨げになる可能性などあるのでいろいろ難しさはあるかと感じました」(30代・男性)

当社から:階段の傾斜についてのご意見は最も多いのですが、傾斜を直すには建て替えるしかなく、せめて上り下りを少なくするため、2007年にバックネット裏席を改修した際には2か所のトンネル階段を新たに作りました。しかしながら、現在の構造ではトンネルを作るのに適した箇所がこのほかに2か所しかありません。また、もしトンネルを追加出来たとしても、スタンド側の出入口付近に新たな通路が必要で、客席数の減少につながります。

客席数については、サッカー日本代表(A代表)の公式戦誘致に必要となる収容人数4万人を割ることがないよう工夫しながら改修工事を進めてきましたが、今後この4万という収容人数を札幌市がどう考えていくかが重要です。2020年の東京オリンピックサッカー、2019年のラグビーワールドカップなど国際的なスポーツイベントへの対応や、コンサートを含む各主催者さまの収益確保などの観点からは収容人数4万人を確保する必要がある中で、客席数確保と快適性追求は相反する関係でもありますが、施設面で出来ないことはソフト面でまだ何か出来ないか、ということも考えていきたいと思います。

エスカレーターも当社で設置を検討しました。しかしながらスタンド内に設置した場合は傾斜がきつく、コンコースの場合は乗降場所付近の安全も確保できないという結論となりました。また、4万人が満足に利用できるだけの箇所数を設置することも難しいことがわかりました。手すり増設による改善は引き続き検討していきたいです。

グッズなどの販売について

「おむつ自動販売機(無料)に商品が入っていたことがない、有料でもいいので切らさずに置いてほしいと思います」(60代・女性)

「ビジター用のロケット風船を売ってほしいです」(60代・男性)

当社から:おむつについては、現在はおむつメーカーさまによる協賛品を無料で配布しておりますが、いたずらや大量に持ち出されるケースがみられ、対応に苦慮しています。有料販売に切り替えればサービスダウンになってしまうため、悩ましいところです。ロケット風船については、札幌ドームでは衛生上の問題でポンプを使うルールとしているため、ポンプに対応していない風船は販売を見合わせています。本当は販売したいと思っていますので、他球場でもポンプを使う方式が広まればいいのですが…。

喫煙場所・喫煙室について

「西ゲート外の喫煙場所をタクシー乗り場寄りに移動できないかと思っています」(50代・女性)

「オープンテラスやキッズパーク横も受動喫煙が気になります」(60代・女性)

当社から:開業時は今よりもっと多くの喫煙所がありましたが、利用状況の変化につれて数を減らし、飲食売店への転換などを図っています。キッズパーク横の喫煙室は換気能力も十分ではなく、当社でも問題だと考えています。ただ、喫煙する方としない方に当社としてそれぞれどう対応していくかが課題で、結論は出ていませんが、現在の状態で良いとは思っていません。

札幌ドームメンバーズクラブについて

「札幌ドームメンバーズクラブの会員になっていますが、売店でのメンバーズクラブカード決済の処理スピードが遅いので、スタッフにもっと周知徹底してほしいと思います。メルマガで様々な情報が入ってくるし、年会費も安くていいカードだし、もっとメンバーズ会員を増やすことをしてはどうでしょうか」(40代・男性)

当社から:売店の処理スピードの問題は各事業者に指導します。会員増に関しては、メンバーズクラブの新規入会キャンペーンを年数回行っており、イベント時にブースを出したりもしていますが、もっと会員数を増やしたいと思います。また、よりよい特典をご用意し、会員さまに満足いただけるようにしていきたいと思います。

スタッフの接客については常に指導していますが、一方でアルバイト確保がとても難しいのが現実です。イベントに合わせて勤務日や就労時間が不規則ですし、学生の減少傾向もあり、スタッフの入れ替わりが多いことが接客に現れてしまっているのではないかと認識しています。そのため、昨年より飲食売店スタッフの接客コンテストを実施し、当社だけでなく各売店のチーフが審査員をつとめ、他の事業者の良いところを共有出来るようにし接客力の向上に努めています。あと、覆面調査(調査員が一般のお客さまに扮して行う、サービス・品質の調査)も行い、接客・商品の温かさなどをレベルアップできるようにしています。

札幌ドームウェブサイトについて

「ウェブサイトの座席図は見やすくなりましたね」(60代・女性)

「ウェブサイトは初めて見たが、敷地内にビオトープがあるのを初めて知りました」(50代・女性)

当社から:ウェブサイトは年々改良を加えています。昨年からは舞台裏の様子を紹介する「札幌ドームの裏側」というページも始めており、いずれはビオトープ(調整池)のことも発信していけたらと思います。

今後の安定運営について

「今後の設備更新のためにも、内部留保金を増やしていくための方法などをどう考えているのでしょうか。2026年の冬季オリンピックでは開閉会式なども考えられているようですが」(60代・男性)

当社から:今後は、2017冬季アジア札幌大会の開会式会場になることがまず決まっています。また、2026年冬季オリンピックについても、札幌での開催が決まれば会場として使ってもらえると考えています。

当社としては、今後も飲食サービスやグッズ販売などでお客さまの満足度を高めるとか、より多くのご来場・ご利用を増やすことで収益が上がり、内部留保も増加します。また、観戦・鑑賞の付加価値をより高めるための投資についても、主催者さまと共に考えていきたいと思っています。

また、売り上げの良いイベントばかりを優先的に誘致すれば収益も当然上がります。しかしながら、これからも両フランチャイズチームを中心に考えるとともに、売上が少なくても多くの方に足を運んでいただけるイベントも並行して増やしたいと思っています。天候や季節に左右されない札幌ドームの特色をさらに活かした運営をしたいです。なお、会社の長期目標としては年40億円超の売上高を目指しています(※参考・2014年度の売上高は36.6億円)。

座談会・オンラインリサーチのご感想
座談会の最後に、話しそびれたこと、今回参加した感想などをお聞きしました。

「実際に参加して座談会が形式的なものではなく感動しました。札幌ドームにこれからも来たいし、協力できることがあったらしたいと思いました」(40代・男性)

「ここまで寄り添って、向き合ってくれていることに感動しました。一生懸命やっていることがみんなに理解されていない部分がありますが、もっと知ってもらいたいですし、さらにいろんな声が上がって、という良い循環ができればと思います。札幌ドームは自分にとって特別な場所なので、もっといろいろな人にドームの事を発信したいと思います」(30代・男性)

「利用者に対する誠意ある姿勢に自分も役に立てればと思っていました。あらためて魅力を感じました」(60代・男性)

「来場するおばちゃんたちに口コミで広めようと思いました。60歳になって札幌ドームへの足が遠のくかと思いきや、今でもまだ3世代で来れてはいますが、今後80歳になっても4世代になっても来られるように、ぜひ手すりの設置はお願いしたいです」(60代・女性)

「だんだん使いやすくなってきた事は分かっていましたが、声を聴いて変えてきたことに頭が下がる思いです。いわゆる『ハコモノ』的な運営とは一線を画しているのを知ることが出来てよかったです。あとは体の不自由な方の声をもっと聴いて、札幌ドームに来られないということがないよう話を聞いてもらえたらと思います」(50代・女性)

10月3日 2日目

館内各所の改修について

「大型ビジョンが大きく立派になって、どこが負担したんだろうと思っていました。午前の館内見学でも、各所で札幌ドームが負担して改修していることを知って『スゴイな』と実感したところです」(60代・男性)

「2階にトイレを少しでも増設できないでしょうか。お年寄りや足の悪い方などは大変そうです」(40代・女性)

「ヤフオクドームのようなホームランテラスシートはできないでしょうか」(40代・女性)

当社から:大型ビジョンの更新・増設は当社の負担で行いました。他球場のようにセンターに置く案なども検討しましたが、建物の構造上の問題などから設置を見送った経緯があります。大型ビジョンやデジタルサイネージのさらなる充実は、これからも当社の研究課題の一つです。

トイレ、それから階段とか座席の改善については大きな課題です。お金と時間をかければ出来るものと、それでも出来ないものとあるのですが、トイレに関してはスペースだけでなく上下水の配管設置で費用が嵩むという問題があります。2階では外野側の多目的トイレ付近で増設の検討を進めています。また、屋外では、2階テラスイベントに仮設トイレを設置できないか検討しています。仮設トイレは清潔面でレベルアップしてきており、館内での場所確保が困難という問題があるので、継続的に検討しています。

アリーナへの座席増設は、野球モードとサッカーモードとの転換を考えると、場面転換作業や会場設営に時間がかかり過ぎるのが難点です。コンサドーレ札幌戦は、Jリーグのスタジアム規程の関係で札幌ドームでの試合数が以前よりも増加し、それ自体はありがたいのですが、場面転換などの施設スケジュール管理が以前よりもタイトになっています。プロ野球の日曜デーゲーム、ならびに試合後のグラウンド開放が終わったあと、深夜から早朝にかけて場面転換作業を行い、コンサドーレの月曜ナイトゲーム開催、というケースが既に発生しています。新たな座席をアリーナに設置すると場面転換作業がさらに数時間かかるかもしれず、選手の試合前練習など考慮するとなかなか厳しいものがあります。

例えば甲子園球場ではパーティルームのようなスペースもありますが、使われていない倉庫のようなところの転用だったりします。札幌ドームは無駄のない作りで、スタンドに余剰スペースがありません。とはいえ、多様な企画シート設置についてはファイターズさまからもご要望があり、当社でも諦めずに考えていきたいところです。

スタンド(観客席)の階段について

「フィールドシートに高齢の親を連れてきたとき、トイレが近くにあれば助かると感じました」(30代・男性)

当社から:スタンドの傾斜は約29度あるのですが、札幌ドームは2002FIFAワールドカップのためのサッカー場として計画され、野球も出来るよう設計されたことが影響しています。FIFA(国際サッカー連盟)の基準では、2列前の人の頭がサッカーピッチへの視線障害にならないこと、ピッチに人がなだれ込まないようフェンスとピッチの間に堀が必要、などの条件がありました。そのため、フェンスの一番低いところが高さ3mとなり、それからまず約11度の傾斜でせり上がり、旋回式可動席の一番上が外野フェンスの高さと同じ5.75m、そして約29度の固定スタンドとなっています。この角度を直すとなると建て替えるしかありません。そのかわり少しでも負担を減らすために、コンサドーレ戦、ならびにファイターズ戦では上り下りの少ない席種をつくるなどで対応いただいています。

フィールドシートは2009年に設置しましたが、サッカー開催時は分解して外に運び出す手間がかかっています。2013年からは、改修工事によってフィールドシートから地下2階のトイレへの通路を確保し、フィールドシートのお客さまはスタンドを上り下りせずトイレをご利用いただけます。

札幌ドーム周辺について

「ドーム前広場や2階テラスを、お店や休憩スペースなどで活用出来ないでしょうか。スポーツ・スタジアム・サッポロは使いますが、屋外・館内とも食事する場所が少ないと思います。館内のスペース不足を何とか解消してほしいです」(60代・男性)

「地下鉄直結にならないでしょうか」(50代・女性)

当社から:地下鉄は、もし東豊線延伸と駅直結が実現する場合は「ものすごく広い駅構内を造ってほしい」と札幌市に話しています。例えばコンサートの時などのお帰り時は混雑のため福住駅構内やホームになかなか入れないことがあります。ドーム直結駅の場合には大人数を受け入れられる広さがないと、混雑が激し過ぎて安全の確保が出来ません。地下鉄の整備については札幌市が主体で取り組む話ではありますが、当社として伝えるべきことはお話ししていきます。

飲食サービスについて

「席で飲食サービスを頼めるようになるといいと思います。デリバリーまで行かなくても、売り子がすぐ来てくれるシステムでもいいですね」(40代・女性)

売り子の動きが鈍いと思います。東京ドームはすばやい。野球観戦の邪魔になったり、欲しいときに来てくれなかったり。きびきびしてほしいです」(40代・男性)

当社から:現在導入を検討している「スタジアムWi-Fi」は様々な利用方法があり、海外スタジアムでは席でオーダーしたら店舗が受け付けてスタッフがデリバリーしたり、料理の完成をショートメールで教えてくれるサービスなどが登場しています。Wi-Fiアンテナ整備を含めると数億円レベルの費用がかかるので、よく考えてしっかりしたものにしたいと思っています。5~10年というスパンではなく2~3年でと考えていますが、どこまで出来るかまだ分からない状況ですが引き続き検討しています。

飲食販売スタッフの件は、人員確保がだんだん難しくなってきています。アルバイトスタッフの時給もあまり上げると商品に転嫁されてしまいます。勤務形態も試合日程に合わせて変則的で、スタッフの入れ替わりもあり、十分なサービス提供が出来ていない部分があるのが実情ですが、当社としても継続的に指導をしていきます。

なお、スタジアムWi-Fiとは別に、飲食・グッズ販売などへの電子マネー決済の導入についても検討を進めています。

「飲食売店の契約は何年なのですか、新しい店の要望などは聞いてもらえるのでしょうか」(30代・男性)

当社から:いずれもコンペにて入ったもので、契約期限は特にありませんが、どこかのタイミングで見直し等も考えたいと思っています。すぐには出来ないかもしれませんが、より多様でご満足いただけるラインナップとなるよう取り組んでいきますので、そういった声をぜひお聞かせいただきたいと思います。

館内の案内表示について

「エレベーターの案内表示が分かりづらい。トイレのサインも外国人向けのものがあってもいいと思います。シャトルバスターミナルへのサインももっと分かりやすいと良いですし、北ゲートと南ゲートを間違えるととても歩くことになるので大変です。試合終了後の混雑時など、流れがスムーズになるよう床にサインなどあるといいと思います」(50代・女性)

「病院など、床の色で行く方面が分かるようなものがありますが、トイレにもそのような動線が書いてあるといいと思います。特に試合開始前など混む時などそう思います」(40代・女性)

当社から:床面への案内表示は検討します。ただ、混雑時に床が見えなくなるため、効果を考えるともうひと工夫必要となります。

スタッフの応対について

「松葉杖の方と野球を観に来たことがあります。入場ゲートまでの移動、ゲート内の狭さ、コンコースの混雑、エレベーター待ち、2階から階段を使って座席までと、どれも不便でしたし、予約などせずに使える車いすが準備されていればいいなと思いました。そしてスタッフが積極的に声をかけるなどあれば良いと思いました」(20代・女性)

当社から:車いすの予約は必要なく、各ゲートに用意しているのでスタッフにお声掛けください。スタッフの気遣いについては主催者さまのことになりますが、当社からも主催者さまにお伝えしたいと思います。

2019年のラグビーワールドカップについて

「今後のことですが、2019年のラグビーワールドカップの準備などについて伺いたいです」(30代・男性)

当社から:札幌ドームで開催される場合はホヴァリングサッカーステージを使う予定ですが、その場合はタッチラインを短めのコートとする必要があります。今年イギリスで開催のラグビーワールドカップ2015ではサッカースタジアムが会場となっている例もあり、札幌市の担当者と当社社員が現地へ視察に行っています。

また、ラグビー競技に伴う天然芝への影響も注目しています。翌年には東京オリンピックサッカー会場としても使用されるため、開催の折にはピッチコンディションの維持に全力を尽くすつもりです。

今後の設備改修予定について

大型ビジョンのような新しいことで、次に考えていることはないでしょうか」(30代・男性)

当社から:大きなものでは、音響設備の更新、ならびにスタジアムWi-Fi導入などを検討していますが、費用や工事期間などの問題もあるため、施設所有者の札幌市ともよく話し合っていきたいと思います。お客さまの安全安心の確保も使命ですので、安全性を高めるための改修も優先度が高いと思っています。内容によっては札幌市ではすぐに対応出来ないものもあるので、そうしたところを当社が補っていくという考えでいます。

なお、今年度に実施する改修としては、地下2階トイレ(コンサートやファイターズ戦フィールドシートのお客さま用)の洋式化率アップ工事も予定しています。

座談会・オンラインリサーチのご感想

座談会の最後に、話しそびれたこと、今回参加した感想などをお聞きしました。

「文章ではなかなか伝わらないところを、会話形式でこうしてやり取り出来てよかったと思います」(40代・男性)

「様々な質問にすべて答えていただきありがとうございました」(30代・男性)

「現場の声を聞けて参考になりました。他球場(QVCマリンフィールド)で、イニング間にスタンドでごみ回収が行われていました。階段が急な札幌ドームでもぜひお願いしたいと思います」(20代・女性)

「トイレやビジョンなどいろいろ意見を聞いて改善してもらっていて、また座談会もよかったです。ごみの分別の呼びかけももっとしていってもいいのでは思います」(40代・女性)

「ドームが甚大な努力をしていることがよく分かりました。ファンを集めて聞いてもらう取り組みは素晴らしいと思います」(60代・男性)

「意見を聞いてもらえる場でありがたいです。どんどん改善が見られて今後も意見を取り入れて少しでもよくなってほしいと思います」(50代・女性)