重要なお知らせ

札幌ドーム オンラインリサーチ

2016年度 モニター座談会レポート

株式会社札幌ドーム(以下当社)では、皆さまにとってより楽しく、安全・安心・快適にお過ごしいただける施設となるよう、皆さまからのお声に真摯に耳を傾け「お客さまとともに改善・進化する札幌ドーム」の実現に向けて取り組んでおります。
本アンケート「札幌ドーム オンラインリサーチ2016」では、モニターアンケート、モニター観戦、当社役員・社員との座談会を開催しました。モニター観戦は、普段あまり観ていないイベントも一度ご覧いただく機会になれば、との趣旨で両チームの試合を1試合ずつご覧いただき、モニターアンケート回答の参考としていただきました。いただいたご意見はすべて社内で共有し、札幌ドームをより良い空間へ進化させるための参考とさせていただきます。
モニター座談会の結果につきまして、以下の通りご報告させていただきます。

実施概要

  • 実施日・モニター人数 2016年9月30日(金)/6人(男性2人・女性4人)
    2016年10月1日(土)/6人(男性3人・女性3人)
  • 当社の座談会参加者 代表取締役専務 島津 貴昭
    事業本部長   吉田 圭吾
    総務部長    佐々木 和規
    総務部総務課  オンラインリサーチ担当 若井 聡 菊地 圭児

座談会の流れとモニターさまのご意見・ご感想

館内見学
当社社員の案内で、これまでに改修した主な箇所(スタンド手すり・売店・トイレなど)をご覧いただき、普段感じていることや感想をお聞きしました。

「改修個所など楽しく拝見しました。ドームが工夫・改善していることがわかって私とドームの距離が近くなったと感じました。またドームと主催者の関係も整理できました」(40代・女性)

「貴重な体験でした。使う側の意見が細かく反映されていると思いました」(50代・女性)

「なにげなく使っていた手すりも最初はなかったということなど、普段気づいていなかったんだなと思いました」(30代・女性)

昼食
レストラン「スポーツ・スタジアム・サッポロ」にて、ランチならびにファイターズ絶品グルメをお召し上がりいただきました。
座談会
弊社役員・オンラインリサーチ担当社員などを交え、「今後の札幌ドームに期待すること」などのテーマで意見交換を行いました。併せて、オンラインリサーチ企画に対してもご意見・ご感想を伺いました。

当社から:はじめに、当社の立ち位置、ならびに札幌市と当社との関係について説明します。

札幌ドームは、2002FIFAワールドカップの開催を契機として札幌市が税金を投入して建設した公共施設です。当時の建設費が422億円、土地代が115億円と合わせて537億円かかりました。これに建設のための借入金の利子を含めると660億円となる一大プロジェクトでした。国の交付金や、北海道の補助金などを除く札幌市の負担分は302億円、借入金395億円は30年償還で、最終償還年度は2031年度。借金の返済にまだ15年かかります。ですから札幌ドームを今後も継続的に最大限活用していくということが公共施設としての使命であり、そのためにも多目的施設としてさまざまなイベントを開催し、多くの市民道民の皆さまに利用していただくことが大切だと考えています。

当社は、札幌ドームの管理運営を行わせるために、札幌市がドーム開業前の1998年に資本金10億円で設立した株式会社です。ただし札幌市による全額出資ではなく、当社設立に賛同いただいた地元関係企業など27法人が当社の株主です。当社は札幌市が55%の株式を持っているいわゆる第3セクターです。札幌ドームの運営には人脈を活かしたイベント誘致が必要なことや、運営ノウハウを継続して創出できるよう専門的な人材の育成が必要なことなどから、市職員による直営は当初から想定されていませんでした。一方で税金を投入した公共施設としての公平性や公共性の確保も必要なため、官民の共同出資による第3セクター方式の経営がふさわしいということで、現在の公設民営という形になりました。ちなみに、実際現在約70人いる社員の中で札幌市からの派遣やOBの方は3人しかおらず、残りはすべて民間からの転職組や新卒の採用によるものです。
2006年度からは指定管理者制度が導入されました。当社は札幌市から継続して札幌ドームの管理運営を任されましたが、これにより今まで以上にサービスの向上や収支の改善などを求められることになりました。
よく「札幌ドームは儲かっていいね」というお声を聴きますが、儲かっていいのではなく、儲けなくてはいけないのです。われわれの使命はしっかり利益を出すことだと考えており、このことは札幌ドームの指定管理者として、当社が札幌市から求められていることなのです。どういうことかと言いますと、一般的に公共施設は、安価に市民の皆様にご利用いただくため、民間施設と比べて低廉な料金が設定されています。そのため、料金収入だけでは、施設の管理運営費を賄うことができず、賄いきれない分は指定管理費として、税金で穴埋めされています。

実は札幌ドームも施設の管理運営費は約20億円かかっており、イベントの主催者からいただく施設の利用料金は、昨年度は約18億円の収入しかなく、約2億円の赤字でした。しかしながら当社は、札幌市から指定管理費、言い換えると税金の補てんを受けておりません。当社は利用料金以外、具体的には飲食・物販・広告看板等の事業で利益を出して、この赤字分を補てんしています。補てん以上に利益を出した分は、株主への配当以外はすべて施設の保全や施設の改修費用に充てています。例えば2014年度に実施した大型ビジョンの更新や、トイレの洋式化、ハンドドライヤーの設置など、開業以来当社が負担した施設の改良工事総額は約42億円となっています。一方で、札幌ドームも開業から15年を迎え、様々な設備の更新が必要になってきており、そうした大規模な設備更新や改修は札幌市が費用を負担して行っていますが、当社としてできる部分については、当社が費用を負担して設備改修を行っています。できる限り税金の投入を抑えて、施設を管理運営していくことが我々の使命と考えています。そのためにも、今後も札幌ドームに来場されるお客さまや主催者さまの声を聴きながら、より使いやすい、居心地の良い札幌ドームを目指さなければならないと考えており、皆様にご協力いただいたオンラインリサーチモニター制度や今日の座談会もお客さまの声を聴く大変重要な機会ととらえております。

9月30日 1日目

バリアフリー対応について

「高齢者で行けなくなった方の話も聞きますが、高齢者や車いすにやさしい施設としての工夫があればと思います。階段が多いしエレベーターが遠い、駐車場も杖などを使う人にハードルが高い作りになっていると思います」(40代・女性)

当社から:バリアフリーは最大のテーマと思っています。スタンドの傾斜は変えることはできないですが、手すりの両側設置などは今シーズンオフから行いますし、札幌市とも一緒に考えなければなりませんが、屋外の動線上のエスカレーターは将来的には考えるべき案件だと思っています。座席も狭かったり、真ん中の座席に行きづらいということがあげられていますが、これはもともと札幌ドームに国際試合を誘致する際に4万席が必要だということでした。ただ最近は札幌市も数年に一度の国際試合のために常時4万席が必要かということも考えはじめており、今後札幌の冬季五輪がどうなるかもありますが、いろいろと検討できればと思っています。具体的にはゆったりした席や車いすを増やしたりということですが、これは1年2年ではできないでしょうが、最大の課題と思って取り組んでいきたいと思います。

駐車場のことですが、車いす用、手帳をお持ちの障がい者用はありますが、杖を使われている方や妊婦の方などが優先的に使える場所はありません。しかしそういった方は駐車場で係員にお声がけいただくとゲートから近いところにお停めいただけるように対応しています。駐車台数については、最近ではイベント時のドクターヘリ用ヘリポートを屋外サッカー練習場を活用することで30台分を障がい者用として増やしたりしています。

交通アクセスについて

「最初はシャトルバスで来たのですが、敷地内のシャトルバスターミナルから遠くて、一度きりで使わなくなりました。公共交通機関でというならもっと近いところに配置してほしいです」(70代・男性)

当社から:シャトルバスターミナルが近いところにあったほうがいいだろうと思うことはあり、実際に検討をしたこともあります。駐車場の出入り口の構造上の問題があり、現在具体的な策はないのですが、例えば動く歩道とかカートで移動するとか雨風がしのげる屋根などを考えていければと思います。

Wi-FiやITの活用について

「アメリカのシステムの話ですが、NFLのサンフランシスコフォーティーナイナーズのリーバイススタジアムでは、駐車場の予約や食事をデリバリーしてくれたりということをスマホで全部できてしまいます」(50代・男性)

当社から:ITを活用した、いわゆるスマートスタジアムだと思いますが、売店の混雑状況などもわかりますしいいと思います。ただ全員が使いこなすわけではないので、そこまでやっていく必要があるかは考えることだと思います。京セラドーム大阪やKoboスタ宮城ではビール販売スタッフの呼び寄せがスマートフォンでできるサービスがありましたが、現在はサービス提供が終わっていたりします。東北楽天イーグルスはフードオーダーもできる優れた公式アプリを提供していますので、今後も注目していく必要があります。ただ、スマートフォンユーザーが使うアプリが集約されつつあるので、相当便利なアプリ機能を用意しないと普及は難しいと思いますし、今のウェブサイトをそういうところで使いやすくしたいと思っています。

札幌ドーム周辺の活用について

「開場してからやりたいことが多いので、時間のある入場前に飲食が買えるようにしてほしいと思います。買うヒマがないからウチから持っていこうということにもなります。南側にも開場前から利用できる売店などほしいと思います」(40代・女性)

「オブジェの周りやサッカー練習場など、空いた空間で食べるところとか増やせればいいと思います」(20代・女性)

「埼玉スタジアムは最寄駅からのルート上に出店などが多く、楽しいと思います」(50代・男性)

当社から:ドームができて15年、福住からドームまでもっと賑やかになるかなと思っていましたが、期待した結果ではなかったと思います。賑わいづくりの部分では豊平区とも話す機会がありますが、スポーツを切り口におもてなしをしようということがあります。全体的なことでは札幌市の考えるスポーツパーク構想などもファイターズと向いている方向も同じですし、2026年の冬季オリンピック・パラリンピックでは札幌ドームが開閉会式会場となる計画案となっていて、実現すればここが中心になるでしょうから、選手村やメディアセンターなどの後利用などを含めて先ほど出たスポーツの聖地のようなことになっていければといいなあと札幌市も考えています。またウインタースポーツに関して、昨年からゆきひろばというものを作りましたし、これからの検討となりますがこの広い敷地を使った歩くスキーのコースなどもできるといいかなと思います。365日市民のみなさんに楽しんでいただける施設になっていければと思っています。

  • ゆきひろば
3階キッズパークエリアの活用について

「京セラドームのスターダイナー席のような遊びのある席とかほしいです。今の3階の元喫煙室をジンギスカンコーナーにしてほしいです。もう一方のベビーコーナーも回転ずしなどがいいと思います。家族で楽しめるおもしろい場所があるといいと思います」(40代・女性)

当社から:キッズパークエリアは今後改修を検討しています。喫煙室は閉めましたが、構造物撤去に多額の費用もかかるので、リニューアルをする際に合わせて考えたいと思っています。

札幌ドームの利用料金について

「一番気になっているファイターズの移転問題ですが、うまくやっていただけないかと思っています。ここでどれだけ話せるのかわかりませんが、どのような状況になっているのでしょうか」(70代・男性)

「サッカーでも野々村社長が同じようなことを言っていて、他のスタジアムに比べて割高だということです。でも厚別は芝が悪くそれならば新しいスタジアムを作りたいと。でも最近、野々村社長は言わなくなりましたが何かあるのでしょうか」(50代・男性)

当社から:最近では球団が球場を運営するというケースもあります。千葉ロッテマリーンズや広島東洋カープが指定管理者になったり、横浜も形は違うがスタジアム運営会社の株をDeNAが買い取って直営となったり、そういう中でファイターズさまが自前の球場を持ちたいというのはある意味当然の流れだと思いますが、この札幌ドームを専有的に使えるかというと先ほどもご説明したように公共施設であり、なかなか難しいところがあります。専用球場としてではなく札幌市としても多目的施設として使っていきたいというところがあり、ファイターズさまが専有で使っていくということにはならないわけで、そんな中で新球場を持ちたいという話が出たものと思います。私どもも詳しいお話は伺っていませんが、今回の報道によると、天然芝で開閉式の屋根付きで、とのことのようなので、ドームとしては天然芝となるとこれは無理なわけです。人工芝も3代目で、選手と相談しながら現状で一番いいものを提供しているところです。そんな中で私たちも札幌ドームを使い続けてほしいし、市長もそういっていますし、お互い折り合いがつくような話し合いができればと思っています。そして私たちもファイターズさまが一番大事なお客さまであると思っています。このオフもいろいろな要望があると思うので対応していきたいと思います。

また、サッカー場として見ると、800万円というのは他のサッカースタジアムとの比較という意味では高いと思います。札幌ドームの利用料金は、他のドーム球場と比較して当初札幌市が決めた料金ですが、コンサドーレさまの使用には札幌市から補助金が出ていて少し優遇されています。ファイターズさまもコンサドーレさまもそうですが、当社はスポンサーという立場で支援させていただいている面もあります。利用料金の話ですが、800万円は道内の他施設の感覚では高いとも思われますが、東京ドームの場合は最低でも1,600万円です。その使用料の決めた経緯ですが、札幌では他のドームと同じという金額ではなく、どれくらいの利用料金なら札幌ドームを利用いただけるかということを基準に考えました。1,600万円は欲しいけど、まだフランチャイズが決まっていない開業前に、プロ野球で2万人を集めるのは大変だから800万円からとして、来場者がそれ以上もっと来てくれたらもらうような形にしようと決めたんです。

  • 3代目人工芝張り替え工事の様子
座談会・オンラインリサーチのご感想
座談会の最後に、話しそびれたこと、今回参加した感想などをお聞きしました。

「このようないい機会をありがとうございました。ドームが改善しようとする意志がよくわかりました。ファイターズが移転しないようにお願いします」(70代・男性)

「すごく楽しかったです。バリアフリーに力を入れているし私たちの意見を聞いてくれるし、とにかく好感度が上がりました。札幌ドームは努力してくれていますし、自分たちの利益よりもいろいろな人のために使っていると思いました」(20代・女性)

「今日の経験は自慢できるかなと思いました。現場ががんばって苦労しているのだなと思いました。これらのことは自分でもネットなどで発信したいと思いますが、もっとドームでも発信してほしいと思いました」(50代・男性)

「言いたいことが言えていい機会でした。もっとみんなが来たくなるようなドームになるよう期待しています」(40代・女性)

「札幌ドームの事情もわかりました。これからよくしたいという熱意もうかがえたのでファイターズの残留に向けてやっていただきたいと思います。普段発信できる場所がないのでこれからも続けてほしいと思います」(40代・女性)

「こういう話を他の人にももっと知ってほしいと思いますし、知ってもらう工夫をしてほしいと思います。私も近所に話します。あと改修をするのに経費とメリットのバランスとか考えているのはいい姿勢だと思います。無駄のない改修などするためにもいろいろ意見を出して検討してほしいと思います」(50代・女性)

10月1日 2日目

スタンド手すり・大階段について

「両親と来ることが多いのですがだんだん足腰が弱ってきていて、エレベーターの位置や手すりが途中で切れていたりすることが気になります。大階段のあたりの座り込み防止のステッカーは見ない人もいるので、ひと通路分設けて手すりを使って歩けるようにしてほしいと思います」(40代・女性)

「今のステッカーの部分を全部黄色にしてしまうなどすれば人の心理として座りづらいようになると思います」(30歳・男性)

「大階段では私も孫を連れて食事をしたりするのに使ってますが、座り込み防止のサインはいいかなと思いますがもっと壁などにもあってもいいと思います」(60代・男性)

「大階段や通路の手すりですがもう少し低い位置に一段あるといいと思うのですが、視界の邪魔になったりするのでしょうか」(30代・男性)

「大階段の前のビジョンを増やすことはできないでしょうか。別のところに増やせば人の混雑も少し減ると思います」(60代・男性)

当社から:大階段の手すり付近の座り込み防止については、ステッカーの色変更や手すりを増やして座れない場所をつくるなど、社内で検討しているところです。
これから設置する手すりについてはもう一段低いところにもバーがあるものを検討していています。お子さんだけでなくお年寄りの背の低い方などもそのほうが使いやすいという声もいただいているので、その方向で考えています。
コンコースのビジョンについては、現在は試合中継プロジェクターが2台ありますが、このオフに大階段の売店の上に、プロジェクターのサイズより大型の映像ビジョンを一基新しく付けようということになっています。なぜ大階段にということですが、もともと設計者の意図であの場所では食事などをして楽しんでもらいたいというコンセプトもあって、単に階段で上り下りするだけではないということもありますし、トイレで並んでいるときにビジョンで中継をご覧いただくということもあります。

トイレについて

「北や南ゲートの奥のトイレですが、あそこは個室が2列になっていて空いていても奥のほうが見えないので、ミラーでも工夫して空いていることがわかるようになるといいなと思いました」(40代・女性)

「今は各トイレにひとつずつくらい子供用トイレがありますが、子供用の数が増えるといいと思います。娘も子供用のトイレがいいとわかっているので、大人用だと手すりに手を伸ばしたりしたり大変です。子供用の便座だけでもついていればいいと思います。それなら後付けでもできるのかなと思います」(40代・男性)

「以前から孫と一緒にきてましたが、トイレが2階にあるといいなと思いますが、子供用は便座でいいのでもっと増やしてほしいと思います。外国人でトイレを流すレバーの使い方がわからない人がいてその表示があればいいと思いました」(60代・男性)

「2階のトイレ増設について配管工事の関係で難しいという話もありましたが、バイオマストイレなどもいいものができてますので検討されてはいかがでしょうか」(60代・男性)

「コンサドーレの時にテラスでジンギスカンを食べてて、入場後でないとトイレが使えないことがありました。南ゲートの駐車場のところにはトイレがありますが、北ゲート側も外にトイレがあったらいいと思いました。サブグラウンドでサポーターがチーム練習を見ますが、そういう人のためにも敷地内北ゲート側にトイレがもっとあればいいと思います」(30代・男性)

当社から:奥のトイレのことですが、確かにわかりにくいので、そこについては他の施設ではあるようですが、ランプなど電子的なシステムで空いているかどうかがわかるようなものを検討しています。
2階のトイレの増設は、まずこのオフに外野側の多目的トイレを改修して数を増やす工事をします。内野側についてもトイレ増設ができないかを今後検討していく予定です。

スタンド階段について

「階段ですが、大規模改修となるでしょうが、1階からスタンドに抜けるトンネルがあるといいと思います」(60代・男性)

当社から:階段については、傾斜を緩くするには建て替えしなくてはならないほどのことになってしまうので、それを緩和するために何ができるかということですが、手すりの増設などはひとつの対策です。これからできるかどうか考えていくことですが、4万席の席数を確保しなくてはならないというところがあったわけです。これは2019年ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピックサッカー開催、そして2026年の冬季オリンピックなど国際イベントを誘致するには4万席が必要だと札幌市も判断していましたが、この考え方が少し変わってきていて、数年に一度の大会のために本当にその席数が必要かということで、少し席数を減らしてもゆったりした席や1階からの通路がもう少しできないか、などということについても研究しています。

札幌ドームウェブサイトについて

「一般の人がサッカー練習場を使えるということを知りませんでしたので、使ったことはないけど使いたいというライトな人にももっとわかりやすい案内があるといいと思います」(30代・男性)

「冬季利用のゆきひろばなども、小さいお子さんの冬遊びとして駐車場もあってちょうどいいのでもっと露出度があがるようにしたらいいと思いました」(30代・男性)

「自分がどこにいるかわかるようになるといいと思うのですが、みんなスマホで見るので座席や今いる位置情報がわかって、だいたいの大まかなものがあればと思います。ツイッターなどもあれば、随時情報を更新できるので可能だと思います」(30代・男性)

当社から:スマホサイトは2013年に作成しました。ほかのスタジアムの事例を参考に飲食売店の情報だったり、アプリに近いコンテンツになるようにと、最近はスマホサイトの強化に取り組んでいます。飲食関連ページでは食べたいメニューをカテゴリ毎に検索できます。最寄りトイレの場所がわかるとかトイレの混雑状況がわかったり、手元でフードのオーダーができたり届けてもらったりということはアメリカで実際にITを駆使したスマートスタジアムとしてやっているわけで社員もそういうものを見て研究しています。館内での現在位置などもこれまでのオンラインリサーチでもご意見をいただいているので、何かできないかと模索しているのが現状です。Googleストリートビューを見れるようにしていますが、それと連動できないかなどを考えていきたいと思っていますが、建物が分厚いコンクリートでGPSの電波がなかなか届かないというようなハードルがあったりします。ただ他の施設ではやっている事例もあるのでチャレンジしたいと思っています。

広報誌「札幌ドーム ドームニュース」やフリーペーパーについて

「ドームニュースはなかなか中身が多くて、よりわかりやすくするためには何かいい方法はないかなと思っています。ページが増えてもいいからもうすこし1ページあたりの字が少ないといいかなとも思います」(60代・男性)

「ウェブサイトはちょっと盛りだくさんかなと思います。親の世代にはウェブって何?というようなこともありますし、そうなると紙がいいと思います」(50代・女性)

当社から:もともとドームニュースは開業時からあって、その当時はウェブもこんなに発達していなかったので16ページの冊子形式で座席図や敷地図などスペースを割いていろいろな情報を入れていました。発行部数は現在5万部ですが、当時は7万部以上ということでお金もかかっていましたし、ドームニュース以外にもっと様々な広報手段に分散しようということもあって検討してきました。ドームニュースもいったんは4ページまで縮小したのですが、イベントも増えたりゆきひろばのようなものも告知したいということになって、4ページでは収まらないということになって6ページ構成になりました。オンラインリサーチでも両チームのことを知りたいというご意見もあって、情報量が多くなっているのは承知していますが選手のコメントなどをできるだけ載せようということにしています。11・12月号はシーズンオフになっているので4ページになりますが、ぜひ見たいと思われるような広報誌にしていきたいと思っています。 今年からフリーペーパー「ふりっぱー」にも広告を載せるようになりましたが、世代間で希望する情報手段が異なるので、媒体の組み合わせの最適化についても引き続き考えたいと思っています。

電波状況について

「以前コンサの試合で4万人入ったときにドームの中でとても電波が悪いことがありましたが、最近は何か改善しているのでしょうか」(30代・男性)

「この前は放送席の後ろ側で全然電波がない時がありました」(30代・男性)

「無料Wi-Fiはないんですか。通話用電波とウェブを分けるということもできますね」(30代・男性)

当社から:お客さまからもたびたびお叱りをいただきます。携帯会社大手3社のアンテナは館内にあるのですが、満員やそれに近い状態ですと最近はお客さまもSNSなどを頻繁につかっていたりして、アンテナの数は各社とも増やしたりしていますがなかなか追いついていないというのが現状です。どんどん使えるように拡張はしているけれど、それ以上に使う人が増えており激しく取り合いになっているようです。
2017年2月の冬季アジア大会までに札幌市が「Sapporo City Wi-Fi」を導入することになっています。ただそれだけでは十分ではないので今後はスタジアムWi-Fiも検討していきますが、中途半端なものにはしたくないと思っていますが、そうなると数億円ということになるので、この先長期計画で考えていきたいと思っています。通話用の電波も以前に比べたら改善はされていますが、確かに4万人入ったら使えないということはまだ現状としてあります。
先日もお客さまから「あるエリアで電波が弱い」というご意見をいただいたのですが、該当の携帯電話会社が調査したら実は設定が一部間違っていてそれを直して正常になったというケースもありました。

札幌ドームの利用料金などについて

「ファイターズが移転するという話があり、本当のところがわからないので少しでも聞いてみたいと思っています」(40代・女性)

当社から:ご存知のとおり自ら球場を運営するというのが最近の流れになっていますが、千葉ロッテマリーンズや広島東洋カープも札幌と同じように市が所有する球場の指定管理者になって球場を運営しています。横浜もスタジアムの運営会社からDeNAが株を買い取って運営することになりました。球団と球場が一体化ではない形態だと札幌と読売ジャイアンツ、東京ヤクルトスワローズということになり、9つは直営または関連でやっています。これらの流れを考えると自前の球場を持ちたいということはわからないではありません。当初の報道では天然芝のグラウンドで開閉式の屋根付きという報道でしたので、そこは札幌ドームとしては対応できない部分だと思っていました。ただ、札幌ドームとしてファイターズさまは大事なお客さまですし、このままうまく使ってほしいと思いますし、札幌市長も同じような発言をされています。札幌ドームではこれまでにフィールドシートを作ったり、まだ使える大型ビジョンも昨年更新したり、ファイターズさまからはこれからもいろいろと要望はあると思いますが、検討しながら一緒にやっていきたいと思っているところです。
札幌ドームは儲けすぎと言われるのですが、この場を借りて少しお話させていただきます。大型映像設備の更新については諸々を含めると約10億円かかっています。また人工芝の更新には約3.5億の費用がかかり、5年周期で更新した場合10年間で約7億円がかかります。そのため、10年間で大型映像設備の更新(1回)、人工芝の更新(2回)を行うと、約17億円が必要です。この費用を当社で蓄えておくということは、毎年約2億数千万円ほどの利益を上げなくてはなりません。これは札幌市民のみなさんのためにも税金を投入しないように運営していくということなのです。
ファイターズさまではボールパーク構想を話していますが、われわれもイベントのない日も含めて365日楽しんでもらえるような施設になりたいと思っています。2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピックの後に、さらに冬季オリンピックとなればこの周辺に選手村やメディアセンターということにもなるでしょうし、その後利用ということで、スポーツタウンのようになっていくことも考えられると思います。街づくりという観点では豊平区とも話していて、国際大会でのおもてなしの点で協力しており、札幌ドームを核とした街づくりなどにもつながっていくことと思いますのでぜひ見守っていただければと思います。

座談会・オンラインリサーチのご感想
座談会の最後に、話しそびれたこと、今回参加した感想などをお聞きしました。

「札幌ドームが開業したときに『HIROBA』という名称がつけられましたが本当に市民の壮大な広場という感じでした。今回の移転の問題などは別にして今後も利用されるようになるといいなと思います。ありがとうございました」(50代・女性)

「今日はとても貴重な経験でした。いろいろ意見も聞いてもらいましたし、これからも変わっていきそうだなと思いました」(30代・女性)

「貴重な機会をありがとうございました。座談会やモニターになる前は本当にドームのごく一部だけしか知らなかったが、改修ポイントを見たりお話を聞いたりして今後ますますドームのことを見ていきたいと思いました」(40代・女性)

「私は子供がいませんが子供視点ということがいろいろあるのだなあと思いました。これからも変わっていくところを見ていきたいと思いました」(30代・男性)

「この会社がしっかり運営されていくことがファイターズにもコンサドーレにも大切なことですし、ドームのみなさんがたいへんな思いをしていることももっと発信したらいいと思うし、私も周りの人に伝えていきたいと思います」(60代・男性)

「ありがとうございました。モニターや今日の座談会でいろいろな意見を聞けて良かったです。ランニングイベントや野球など周りの人を誘ってどんどん来たいと思いました」(20代・女性)